「このまま、何も知らないまま終わるの?」|かなえさん(50代・未婚)が女性用風俗を初めて予約するまで
「このまま、何も知らないまま終わるの?」
かなえさん(50代・未婚)が、女性用風俗を初めて予約するまで
50年生きてきて、男性とお付き合いをした経験がないまま。
そこへ、手術と休職が重なりました。
「このまま、何も知らないまま終わるのかな」
そう思ったかなえさんが、女性用風俗という言葉を知ってから予約の電話をかけるまで、2ヶ月。
それから6年、同じお店に通いつづけています。
怖かったこと、恥ずかしかったこと、そして「視野が開けた」と語る今のこと。
ぜんぶ、ご本人の言葉でうかがいました。
CHAPTER 01仕事だけが、私の社会だった
私は、ひとつのことにのめり込む性格なんです。
仕事だったら、仕事をしっかりやりたい。
だから、そこに恋愛とか、男性とのトラブルみたいなことが入ってきたら。
生活の基準になっている仕事が、おろそかになりそうな気がして。
そうやって、ずっとお付き合いみたいなことに踏み出せないまま来ました。
珍しい人種だと思うんですけど、男性とお付き合いした経験がないまま、この年齢まで来たんです。
今まではそれで良かった。本当に、それで良かったんです。
「ひとつのことにのめり込むタイプで。仕事をしっかりやりたいから、そこに恋愛が入ってくるのが、こわかったんだと思います」
― かなえさん
変わったのは、50を過ぎてからでした。
体調を崩して、子宮を取る手術をしたんです。
そのまま、会社を休職することになりました。
ベッドの上で、ふと思ったんです。
何も知らないまま終わっていいのかな
それまで一度も考えたことがなかったのに、その気持ちだけが、どんどん大きくなっていって。
それと、もうひとつ。
休職していると、日中、誰にも会わないんです。
人に会わないと、どんどん心も萎んでいく。
会話をしないと、コミュニケーション能力みたいなものまで落ちていく気がして。
これは、会社に復帰するときにマイナスになるんじゃないか、って。
今までは、会社が社会とのつながりでした。
それが途絶えてしまって、家族もいない、ひとり暮らし。
友達は仕事に行っているし、家庭を持っていて自分のことで手一杯だったりする。
「今日、誰かと話したい」「どこかに行きたい」と思っても、それが叶わない。
「人に会わないと、どんどん心も萎んでいくんです。定期的に誰かと会っていれば、それなりに社会とつながっていられるんじゃないかと思って」
― かなえさん
自分の生活のリズムと、精神状態の安定のため。
ちょっとかっこよく言うと、そういうことだったんだと思います。
CHAPTER 02怪しい、怖い。でも“答え合わせ”がしたかった
知ったきっかけは、本当に偶然でした。
ネットを開いていたら、女性用風俗のポータルサイトが出てきたんです。
「あ、こんなのがあるんだ」って。
男性向けがあるのは聞いたことがありました。詳しいわけじゃないけれど。
でも、女性向けがあるなんて、まったく知らなかった。
第一印象は、正直に言います。
というか、怖い。
それが最初の感想でした。
でも、消えなかったんです。
何回かそのサイトを見て、口コミを読んで。
思っているのと違うのか、合っているのか。
その答え合わせがしたい、っていう気持ちになっていって。
「思ってるのと違うのか、合ってるのか。答え合わせがしたいというか。好奇心ですよね」
― かなえさん
それに、休職中で時間はありました。
夜の繁華街に出ていくのは怖い。
でも、昼間に来てもらえるなら——。
そんなことまで、具体的に考えるようになっていました。
CHAPTER 03正座して、電話をかけた
知ってから、2ヶ月。
毎日とは言わないけれど、夜になると考えるんです。
ちょうど、電話をかけるくらいの時間帯になると。
どうしようかな。
どうしようかな。
それを、2ヶ月くり返しました。
最後に背中を押したものは、正直、はっきりとは思い出せません。
6年も前のことなので。
でも、こう思ったのは覚えています。
こんなに悩んでいても、埒が明かない。
やめるか、やるか、2つに1つだ、と。
やったら、どういうものか知れる。
結局、興味のほうが勝ったんです。
それで、気になっていた人を指名しようと思って、夜、電話をかけました。
私、電話があまり好きじゃなくて。
普通の電話でも緊張するのに、ましてや女性用風俗ですから。
もう、緊張しまくりで。
正座して、自分を精一杯落ち着かせながらダイヤルしました。
「正座して、電話しました(笑)。それくらい緊張していたんです」
― かなえさん
CHAPTER 04恥ずかしさと、「視野が開けた」感覚
会ってみて、まず思ったのは——恥ずかしい、でした。
相手は、自分より20歳以上も年下の男の子。
甥っ子より下の年齢です。
変な風に思われていないかな。
それが、いちばん気になりました。
24歳くらいの男の子からしたら、私はもう「おばちゃん」ですよね。
自分では、おばちゃんだと思っていないけれど。
世間一般からしたら、「いい加減落ち着けば」ぐらいの年齢の人が、何を若い男の子と遊んでいるんだ、って。
そういう第三者の目を、勝手に想像してしまって。
ホテルに入るときも、入り口にいる係の人に「この人、そういうサービスを使ってるんだろうな」って目で見られている気がして。
あるかないかも分からないのに、自分で抱えていたんです。
「第三者の目が、ものすごく怖かった。実際にはあるかどうかも分からないのに、自分で勝手に抱えてました」
― かなえさん
それでも、その日のことを一言で言うなら。
良かった、です。
なんて言うんだろう。開けた感じがしたんです。
それまでイメージしていた暗いイメージ、悪いイメージが、パッと取れて。
ぜんぶ、明るくなった感じでした。
相手をしてくれたセラピストさんが、誠実な人だったのも大きかったと思います。
ここで癖のある人に当たっていたら、たぶんそこでやめていた。
親身になって、いろんなことを聞いてくれる人でした。
実は私、そのとき「初めてだ」ということを、相手に伝えていなかったんです。
だから、いきなりのことにびっくりしてしまって。
終わってから正直に打ち明けたら、こう言われました。
「もっと早く言ってよ。初めては、大切だよ」
― 担当セラピスト
そのときは「ああ、そうなんだ」ってあっけらかんと返してしまったけれど。
今思うと、あの一言をくれる人でよかったな、と思います。
CHAPTER 056年かけて、鎧を脱いだ
あの日から、6年が経ちました。
最初の頃にあった「第三者の目が怖い」という感覚は、今はもうありません。
どうでもいい、って思えるようになりました。
でも、そこまで行き着くのに6年かかっています。
私は根本的に、いろんなことをやって周りから「もう慣れたでしょう」と言われても、自分の中では慣れていないんです。
「本当に慣れました」と言えるまでの距離が、人より長い。
編集部の方に、こんなことを言われました。
「最初の頃、正直かなえさんのことを、怖い人だと思っていました」と。
びっくりしたけれど、たぶん、そうだったんだと思います。
長く同じ会社に勤めて、上に立つ立場になって。
本来の自分を、どうしても隠すようになっていたというか。
ファイティングポーズを取ってた
そのうえ体調を崩して、仕事もうまくいかなくて、休職して。
一般的な生活もままならない時期を1〜2年過ごしてからの、デビューでしたから。
最初の頃は、片肘を張って対応していたんだと思います。
でも、当時はそれに気づけないんですよね。
今だから、分かることで。
年数を重ねて、担当のセラピストさんが変わることもあって。
自分に合う人を探して、「どうしたらもっと楽しくなるんだろう」って考えるようになって。
そうやって、気持ちが前向きにシフトしていきました。
なんて言うんでしょう。
社会を知らなかった子どもの頃や、学生時代の、たわいもない友達との会話。
あの頃に見え隠れしていた自分の性格が、今ここに来て、やっと表に出てきた感じがするんです。
それは、幸せなことですか? と聞かれて、迷わず答えました。
楽しいです、と。
CHAPTER 06同じ場所にいる、あなたへ
6年、ずっと同じお店を使っています。
ここに来てからは、他のお店を使ったことがありません。
それはやっぱり、運営の方との信頼関係があって、何でも相談できるからだと思います。
ときには喧嘩もしましたけど(笑)。支えてもらったことも、たくさんあった。
今は、デートプランも楽しんでいます。
本当は行きたかったのに、何かの理由で行けなかった場所。
ひとりのときは「まあ、いいか」と諦めて、それで終わりだったこと。
それを今は、セラピストさんと一緒に行ける。
経験したことがないから見てみたい、やってみたい、って素直にお願いできる。
だから私は、今が楽しいんです。
もし、昔の私と同じ場所にいる人がいるなら。
年齢のこと。経験がないこと。
「こんな私が」と思ってしまう気持ち。
その人に伝えたいのは、まず、これです。
早すぎても、遅すぎても、たぶん違う結果になっている。
自分が決心するタイミングって、必ずあると思うんです。
今は決心できなくてもいい。
私みたいに2ヶ月後に飛び込む人もいるし、やめる人もいる。それは、自分の判断だから。
自分のタイミングで出会ったほうが、後悔もないと思います。
もし体験してみて「良くなかった」と思っても、それも経験です。
それ以降、関わらなければいいだけの話だから。
最後に、と聞かれて、こう答えました。
一歩踏み出す勇気を持ってほしい。
……いや、勇気じゃないですね。
素直になってほしい
「女性用風俗だからダメ」って引いてしまわないで。
人とのつながりを大切にしたいと思えるなら、それでいいんじゃないかな、と思うんです。
取材のあと、かなえさんは、迷っている方への一言を紙に書いて送ってくれました。
「女は度胸」——新しい自分に出会って!!
——6年前、正座して電話をかけた人の、いまの言葉です。
「私も、一歩踏み出してみようかな」と思ったら
初めての方へ向けて、当日の流れ・料金・プライバシーへの配慮を、分かりやすくまとめています。
まずは、のぞいてみるところから。
編集部より
取材のあいだ、かなえさんは何度も笑っていました。でも「正座して電話をかけた」というくだりだけは、少し照れくさそうに、丁寧に話してくださいました。あの緊張が、いまの「楽しいです」につながっている。6年かけて鎧を脱いだ人の言葉には、迷っている人の背中をそっと押す重さがあります。(編集部)
プロフィール
- お名前
- かなえさん(仮名)
- 年代 / 状況
- 50代・未婚・ひとり暮らし
- 利用歴
- 約6年・現在も継続利用中
- 知ったきっかけ
- ネットで偶然見かけたポータルサイト
- 迷った期間
- 約2ヶ月
- 決め手
- 「やめたら分からないまま」という好奇心
- いま楽しんでいること
- 会話、デートプラン、行きたかった場所へ行くこと
よくある質問
Q. 50代ですが、年齢的に利用しても大丈夫でしょうか?
Q. 男性とお付き合いした経験がなくても利用できますか?
Q. 電話やお店に連絡するのが、緊張して怖いです。
Q. 誰かに見られていないか、人目が不安です。
※ 本記事は、かなえさん(仮名)へのインタビューを、ご本人の言葉づかいを生かして一人称で構成したものです。ご本人の確認を得て掲載しています。
※ 特定の個人が識別される情報は編集で調整し、表現はコンプライアンスに配慮して女性専用リラクゼーション/寄り添い/セルフケアの文脈で記述しています。
語り=かなえさん(仮名)/ 構成=Strawberry Boys 編集部
